瀬戸 伶
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“全部”を伝えることと、“つぶさ”に伝えること (その1)
2008-05-08 Thu 10:51
他人に、意志や物事を伝える際に、必要なことを漏らさず全部伝えるというのは大切なことだ。

しかし、“全部”を伝えるということと、“つぶさ”に伝えると言うことは、似ているように見えても、根本的に異なると思っている。この違いについては、意識されない場合もあるし、または意図的に混同して使われる場合も多い。


“全部”伝えるというのは、伝えられる人の立場に立って、どうやったら、より良く正しい理解をしてもらえるかを考えた上で、情報提供するという事だ。
この人には、何を言う必要があって、何が言うまでもない事なのかを考えた上で、物事を伝える。この場合“全部”といいながら物理的には全部ではなく、必要最小限かつ十分な情報量で正しく詳細に伝えると言うことになる。

“つぶさ”に伝えるという場合には、上記のような人の立場に立ってという考えは無い。伝達者側の都合だけで、自分の持てる情報、知識などの、ことごとくすべてを、相手に押し付けるといった姿勢だ。
この場合伝える分量は多いが、しかし内容の密度は低く、重要なことから、殆ど意味の無いことまで、すべてを並列に羅列しているだけの場合もある。
こちらの方は、“情報は全部渡した、あとは、あなた次第だ”、といった具合に、情報の通知だけで、相手に理解をしてもらいたい、といった心は希薄だ。


さて、ここで言うところの“全部” と “つぶさ”、どちらを良く見かけるだろうか。
良く出来たマニュアル、クイックリファレンスなどは、前者の分りやすい例だ。また、WEBや通販サイトで、エレガントな作りのものなどもそうだ。

厚いだけで要領を得ないマニュアル、注意事項の羅列ばかり目立だつ通販サイト(何度も誓約させられる)などは後者の典型だ。こちらの方は、人に情報を伝えるという目的よりも、伝える側の責任回避が、第一の目的になってしまっているものも多い。苦情が出た際に、“全部ここに書いてあります。”、“読んだ上で誓約頂いています。”、と言う為だけに作ってあるようなものだ。


<その2に続く(予定)>


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